MRI株式会社三菱総合研究所

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INCF「2019年度中間報告会/交流会」を開催

INCF「2019年度中間報告会/交流会」の様子

2019年10月9日、「2019年度INCF中間報告会/交流会」を開催しました。当日は、会員企業・団体、社内関係者を含め約110名を超える参加者(うち、INCF会員84名)を得て、盛会となりました。

株式会社三菱総合研究所 INCF 事務局長 須﨑 彩斗

プログラムは、10月から新たにINCF 事務局長に就任した須﨑 彩斗の挨拶およびINCFの活用方法についての説明からスタートしました。INCFが目指す社会課題解決を通じた豊かで持続・成長可能な社会の実現に向けてのプロセス、①課題抽出、②解決策の収集、③共創による事業開発、④事業拡大・社会実装に沿って、2019年度上期に実施したそれぞれの取り組み事例(①2019年度版社会課題リストの発行、社会課題セミナーの開催、②ビジネスアクセラレーションプログラムの実施、③プレSIGディスカッションの開催を踏まえて、新たに4つのSIGを組成)を紹介しました。

2019年度上期SIGの進捗報告

① ママ世代を中心とする女性のストレスマネジメントSIG(起案者:住友生命)

妊娠期から子育て期のママ世代のストレス課題を解決するビジネスを検討しています。産後うつなどを含め、孤立しやすく、自分の存在価値を見失いがちな子育て世代の女性のストレスは大きな社会問題になっている現状があります。現在4つの課題、「育児の伴走者が不在」「夫・周囲の協力・理解不足」「時間がない(アウトソースを上手く利用出来ない)」「社会制度と理想のギャップ(学童保育の教育体制)」を取り上げ、各チームに分かれて議論、ビジネスアイデアの検討を行っています。

② 単身高齢者の孤立化予防SIG “happy co-life 80”(起案者:大和ハウス工業)

単身高齢者が増え、QOL(生活の質)が低下していることに着目。孤立してしまった高齢者のケアではなく、現役世代への介入による将来的な孤立予防を検討し、そこにビジネスの芽を見つけることを目標に活動しています。特に男性は一人になると死亡リスクが高まることがデータから明らかになっており、人との「つながり」は長寿に大きく影響していると考えられます。そこで、ペルソナを描き、現役世代からどのような対策をしておけば「つながり」をつくれるのか、デザイン思考によるビジネスアイディエーションを推進しつつ、検討を重ねる予定です。

③ 教育格差SIG(起案者:京セラ)

教育の格差をなくすためのビジネスを検討するため、当初は地域格差と経済格差を念頭に置いていましたが、有識者などへのヒアリングの結果、コミュニケーションの格差も学力に響いてくることがわかりました。これを踏まえ、「地域」、「経済」「コミュニケーション」の3つのペルソナを設定し、ビジネスモデルの検討を進めています。また、ワーキンググループへの移行、社会実装を視野に入れ、机上の議論に留まらず、フィールドワークにも取り組み、学生や企業、教育局等の意見聴取も行っています。5回のワークショップ終了後、11月に各グループによるプレゼン大会を実施する予定です。

④ 日本国民のお金の常識と金融教育SIG(起案者:三菱UFJ銀行)

年金問題やマイナス金利等、これまでの常識では先行きを見通せなくなっているなかで、「金融リテラシー」=「お金の常識」をアップデートし、若い世代から高齢世代までを視野に入れながら金融教育の在り方を検討します。第1回会合では、学習指導要領には金融教育が記載されているが、推進が進まない実態、社会のインフラとしての金融教育、社会習慣として日本では家庭などで金融に関して話し合う風習が少ないことが課題として指摘されました。最終的には体系的な金融教育の在り方、生きていくための金融教育とは何か、リスクマネーを供給するような高い次元についての金融教育についても検討を進める予定です。

2019年度上期WGの活動報告

① ワーケーションWG(起案者:凸版印刷/別府市産業連携・協働プラットフォームB-biz Link)

昨年来、SIGを通じてワーケーションの可能性について議論してきました。最近では、関係人口の創出や首都圏から地方への移動等の地方創生の文脈、あるいはワーケーション協議会の発足等を通じてワーケーションという言葉が普及、注目されています。こうした流れのなか9月9日~12日まで別府市をフィールドに、「イノベーション創出型ワーケーション」の実証を行いました(主催:B-biz Link)。プログラムでは、起業マインドが高く、多くの留学生が在籍する立命館アジア太平洋大学の学生発の事業アイデアのブラッシュアップを実施しました。

また、実証にはWGに参加するコアメンバーの他に一部モニターを公募したことにより、多様なメンバー構成となり、議論やアイデアが深まりました。特に効果として高かったのが、3日間寝食を共にするなかで生まれた、異業種の参加者同士の交流価値のところであり、業務連携や協業の可能性について意見交換する場面がいくつも見られました。また、11月には温泉地の自治体が集まって温泉の様々な可能性を議論する「別府温泉アカデミア」(別府市主催)にメンバーが参加し、実証の成果を発表する予定です。本実証を踏まえ、ワーケーションの手応えを感じており、機運の醸成、PRも含め、今後もWGを継続する方向でさらに可能性を深めていきたいと考えています。

② プラチナキャリア支援企業表彰WG(起案者:三菱UFJ信託銀行)

人生100年時代の到来とともに働き方、学び方が変わっていかなければならないという社会課題があり、この解決に資する活動を昨年来続けています。働く期間が長くなるなか、長期的な視点で、年齢によらない自律的な学び、スキルを磨いて、それを発揮できるようなキャリアが求められています。これを「プラチナキャリア」と命名しました。そして、これらを支援するような環境を設けている企業を表彰していこうという取り組みが「プラチナキャリア・アワード」です。

表彰にあたっては、東洋経済新報社のご協力をいただき、同キャリアの特徴である「長期的な視点」「「自律的な学び」「社会への貢献」の3つの観点から審査を行い、本年5月に第1回の表彰式(審査委員長:三菱総合研究所 理事長 小宮山 宏)および記念シンポジウムを開催しました。当日はは300名を超える方に出席頂き、満員御礼、盛会となりました。政府も骨太の方針のなかで、70歳までの就業機会の確保、リカレント教育の拡大等を打ち出しています。また、法的な手当ても来年の通常国会で行われる予定です。このような流れのなかで、現在第2回開催に向けての準備を開始しています。

③ インパクト投資WG(起案者:INCF事務局/ゲイト)

本WGでは、(1)インパクト評価の方法を実証的に検討すること、(2)インパクト投資市場の活性化方策を検討することを目的に活動をしています。(1)については、ソーシャルベンチャー(=漁業と地域再生にかかわるゲイトと介護ICTのウェルモ)と一緒にインパクト評価をどのように役立てられるのか、社会課題の解決に繋げるのか等を検討しています。また、(2)については、ケースも踏まえつつ、どのようにインパクト投資を広げていけるのか、活性化していけるのかを検討する予定です。

具体例として、ゲイトは持続可能な漁業モデルの構築について試行錯誤をしている段階であり、ロジックモデルを使って状況・成果の可視化を検討しています。なお、ゲイトは沿岸漁業に企業として参入し、新たな出口として居酒屋経営に直結させ、海中モニタリングをして資源管理をするなど、社会課題を従来のやり方ではなく、外側から解決するソーシャル・イノベーションを起こそうとしています。そうしたイノベーションの価値をどのように伝えられるのか、広げられるのかを今後検討していきます。

④ 車両プローブ活用WG(起案者:トヨタ自動車)

これまで渋滞解消に向けて3つの施策を検討してきました。①「渋滞予測」、渋滞予測に基づく②「クルマの整流化制御」、③「ヒトの行動変容」ですが、今回のWGでは、情報を人に配信して、人を分散させる施策、「車両プローブ活用による渋滞解消」を検討していきます。走行中の自動車から得られる車両状態、ドライバー状態、周辺環境などのプローブ情報は自動車会社のサーバーに集約されており、これらを交通流の制御に活用していくことを考えています。目標は、「情報で渋滞を解消」することであり。“車両プローブでできることの明確化”および“それを活用したビジネス化”にフォーカスして検討を進めます。具体的なステップとしては、①車両プローブを使って何ができるか、どんな役に立つのかを考え、2019年度末をマイルストーンに、②技術開発。③ビジネス開発の検討を順次進めていきたい考えです。

具体的には2019年末までに活用シーンを明確化し、膨大なデータを目的に合うデータに加工する技術、これを流通する仕組みを作る、ここをやっていきます。また、新しいビジネスをゼロから立ち上げることにこだわらず、既存のビジネススキームに乗せられるようなサービスでマネタイズすることも検討します。
「情報で交通を変える」案をINCF会員の皆様から募集したいと思いますので、お声掛けください。

⑤ 学び直しWG(起案者:INCF事務局)

昨年実施した学び直しSIGで検討したなかから、2つのアイデアをWGに移して活動を行っています。中核事業者である下記2社は、INCFのB会員(ベンチャー)であり、両者既存事業の延長として、社会課題解決に資する別フィールドで事業化に取り組んでいます。

1. 変身資産形成支援研修サービス(中核企業:JOINS株式会社)
50代大企業勤務者を対象に、今まで経験のない中小企業での実務を研修として体験して頂き、新たな自身の可能性についての気付きを得るとともに、変身資産を獲得するサービスを想定、大企業との連携を進めるところからスタートしました。しかしながら、最近では副業を認める企業が増加していることもあり、サービス受講希望者は比較的集めることができるのですが、研修の引き受け先を確保することが難しいことが分かりました。そこで事業展開の順番をピボッティングし、まず研修引き受け先の確保から進めています。ある程度確保の目処が立った後、大企業との連携を進めていく予定としています。

2. WORK SCHOOL(Recurrent mamaより改称、中核企業:TRUNK株式会社)
育休/産休中のママを対象に実質負担なしでITスキルを学んで頂き、学んだことを活かせる活躍の場を提供するサービスを想定していました。しかしながら、事業の特徴の一つであった乳幼児をママの近くで預かる点について、場所の確保等ハードルが高いことが分かりました。そこでピボッティングを行い、対象を小学校低学年のママまで広げ、子供の預かりをサービスから外して検討を進めました。そして、INCF会員である柏市との連携を9月からスタート、同市ホームページへの掲載、自治体の施設でのチラシ配布等を行い、事業の周知を進めています。今後も連携自治体を増やしていく計画であり、横浜市とも協議中です。

INCF新規会員の自己紹介、ショートピッチ

プログラム後半では、2019年4月以降INCFに参加された新規会員13社・団体の自己紹介をはじめ、新しい事業や取り組みを開始した既存会員6社・団体にも登壇いただき、プレゼンテーションピッチを行っていただきました。1時間を超える19社・団体からの連続ピッチとなりましたが、多様な分野、バラエティーに富んだ事業内容のプレゼンがテンポ良く行われ、時間を意識させないPRタイムとなりました。

登壇企業・団体(※登壇順)は以下の通りです。

■ 企業会員A

  • 鹿島建設 技術研究所 様

    鹿島建設 技術研究所 様

  • ビープラッツ 様

    ビープラッツ 様

  • ブリヂストン 様

    ネットワンパートナーズ 様

  • 三菱重工業 様

    三菱重工業 様

■ 賛助会員

  • 日本貿易振興機構(ジェトロ) 様

    日本貿易振興機構(ジェトロ) 様

  • 高知県 様

    高知県 様

■ 企業会員B

  • アカデミスト 様

    アカデミスト 様

  • アクティベートラボ 様

    アクティベートラボ 様

  • エクサウィザーズ 様

    エクサウィザーズ 様

  • クォンタムオペレーション 様

    クォンタムオペレーション 様

  • KMユナイテッド 様

    KMユナイテッド 様

  • 組織ネットワーク研究所 様

    組織ネットワーク研究所 様

  • BionicM 様

    BionicM 様

  • ファームフェス 様

    ファームフェス 様

  • マカイラ 様

    マカイラ 様

  • ミュージックセキュリティーズ 様

    ミュージックセキュリティーズ 様

  • OUTSENSE 様

    OUTSENSE 様

  • アミンファーマ研究所 様

    アミンファーマ研究所 様

  • リトルソフトウェア 様

    リトルソフトウェア 様

交流会

総会後は会場を隣に移し、会員交流会を開催しました。報告会にてピッチいただいたベンチャー企業を中心に15社・団体がブース出展。事前にマッチング希望をヒアリングし、事務局より伝達しており、各ブースの周りには、参加者が入れ替わり訪れ、密度の濃いネットワーキングとなりました。

「人生100年、100億人時代」を迎えるなかで、持続可能な社会を実現するため、INCFでは、社会課題を起点に会員同士の共創による解決策の社会実装、ビジネス展開に向けた活動を更に加速、強化して参ります。(了)

交流の様子

交流会の様子

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