MRI株式会社三菱総合研究所

INNOVATION NETWORK FOR CO-CREATING THE FUTURE

社会課題をビジネスで解決するプラットフォーム
「未来共創イノベーションネットワーク」発足会を開催

「未来共創イノベーションネットワーク」(Innovation Network for Co-creating the Future、以下、INCF)

2017年1月27日、三菱総合研究所(以下、MRI)本社にて、「未来共創イノベーションネットワーク」(Innovation Network for Co-creating the Future、以下、INCF)の発足会を開催しました。

21世紀のグローバル社会が抱える課題は、高齢化や環境問題はじめ、エネルギー、資源、経済格差、テロ、財政、感染症、生活習慣病など多岐にわたっています。このような状況下において持続可能な社会を実現するには、20世紀における有限の物量に依存したサプライサイドからの成長モデルの延長線上にはなく、新しい解決手法によるイノベーションを必要としています。

発足会では、森崎 孝(三菱総合研究所 代表取締役社長)の挨拶、小宮山 宏(三菱総合研究所 理事長)による基調講演に続き、「社会課題解決への期待」と題して、経済産業省、松本市、トヨタ自動車、Draper Nexus Venturesより、それぞれが携わっている社会的課題解決への取り組みについて講演いただきました。最後に、2016年12月に行われたINCF「ビジネスアイデアコンテスト2016」の開催報告および「ビジネスアイデアコンテスト2017」テーマ予告を行い、懇親会で締めくくりました。

基調講演「オープンイノベーションによる社会課題の解決」21世紀の日本に必要な課題とは?

三菱総合研究所 理事長 小宮山 宏

三菱総合研究所 理事長 小宮山 宏による基調講演では、「プラチナ社会」における社会課題解決の重要性について言及しました。国内総生産(GDP)や平均寿命の飛躍的な伸びが表すように、世界中が豊かさを求めて経済や産業を発展させてきた時代が20世紀。21世紀になり、物質的豊かさを手に入れた世界では、皆と同じものではなく、どのようなものが欲しいかを自分で決める、質的満足に対する欲求が生まれています。このモノも心も豊かな社会が「プラチナ社会」であり、環境と調和のとれた持続可能な社会経済体制の創出が求められています。

日本は課題先進国として、これまで様々な課題を解決してきましたが、まだ解決しなければいけない問題が山積しています。日本は、ものづくりが得意とはいえ、上意下達の縦社会であるがゆえにオープンイノベーションが思うようにできないことが弱みでもあります。「プラチナ社会」を実現するには、異質の知の交差、異分野同士の関わり、制度と人・技術の関わりをうまくやっていくことが必要になります。日本が課題解決先進国として、新しいビジネスモデルの創出を実現するには、オープンイノベーションが鍵となることを指摘し、講演を締めくくりました。

各界が取り組むイノベーションのあるべき形とは?「社会課題解決への期待」

経済産業省 井上 博雄氏、松本市 平尾 勇氏

基調講演に続き、「社会課題解決への期待」をテーマに、中央省庁、自治体、企業、およびVCの方に登壇いただき、それぞれの立場から社会課題解決への取り組みと、今後の展開を語っていただきました。

はじめに、経済産業省の井上 博雄氏からは「日本は社会的課題の先進性があり、健康医療・介護、自動走行を主とするモビリティ、ものづくり、街づくりの分野で強みを持っている。これらにうまく対応すれば、世界に対し日本でイノベーションを生み出すプラットフォームが創出できる」との指摘があり、政府としても民間の動きを積極的にサポートしていく、との心強いお言葉をいただきました。

続いて、松本市の平尾 勇氏からは、「行政にとって財政的・人的負担となっている社会的課題の解決は、企業にとってもビジネスチャンスである」と語り、同市が取り組む「松本ヘルス・ラボ」での官民連携によるイノベーション事例を紹介いただきました。

トヨタ自動車 岡島 博司氏、Draper Nexus Ventures 中垣 徹二郎氏

トヨタ自動車の岡島 博司氏からは、「これからは、単に新しい製品をつくる、ものづくり産業から、サービスを含めた新しい事業体をつくらなければならない」と、大学などの研究機関、ベンチャー企業との連携を通じて新しい技術、アイデアを積極的に取り込む活動をおこなっていることを、次世代の自動車のコンセプトムービーも交えながら説明いただきました。

最後に投資家の立場から、Draper Nexus Venturesの中垣 徹二郎氏より、近年、注目されている「ソーシャルインパクト投資」について、従来のベンチャーキャピタル投資との比較を交えながら、そのメリットを説明いただきました。また、日本は課題先進国と言われていながらも、投資の面では世界的に遅れをとっていると指摘し、社会的課題解決に資するファンドの役割、その展望についても解説いただきました。

国内外のアドバイザーからのコメント

各務 茂夫教授(東京大学 産学協創推進本部)、伊藤 穣一教授(MIT メディアラボ 所長)

INCFでは、本活動趣旨に賛同いただいた国内外の専門家、有識者の方々をアドバイザーに迎えています。当日はアドバイザーの皆様より、講演およびビデオメッセージをいただきました。

各務 茂夫教授(東京大学 産学協創推進本部)は、「この数年間で、大企業もベンチャーのエッジの効いたテクノロジーや資源を取り込めなければ生き残っていけない、という危機感がずいぶん現れてきた」とベンチャーを取り巻く環境を概観し、「これからの企業は、ベンチャーと連携するかしないかで業績の差が出るだろう」と展望を語りました。また、東京大学で年間100社ほどの学生ベンチャー企業をサポートしている経験を踏まえ「今後はINCFのようなプラットフォームとの連携も支援の一環として見ていきたい。学生を含めてベンチャーが、イノベーションに向けた我が国全体のプラットフォームになるといいと思う」と講演を締めくくりました。

海外からは伊藤 穣一教授(MIT メディアラボ 所長)によるビデオメッセージが寄せられました。テクノロジーの進化は便利になると同時に様々なリスクを抱えている。今世界が抱える社会問題に対して重要なことは、オープンイノベーションにおいて違った領域、企業、政府機関が協働しなくてはならない。その一方で、知的財産、国境、各学問領域における用語の違いなどの伝統的課題があるため、これらのグループが複雑な自己調整型システムの中で協働していくためには、INCFのようなシェアリングやコラボレーションを実現可能とするプラットフォームこそが、真に求められており、INCFはとても重要でかつタイムリーなイニシアチブである。との期待と激励をいただきました。

INCF主催「ビジネスアイデアコンテスト」について

三菱総合研究所 松田 信之研究員

プログラムの最後に、2016年7〜12月に開催した「第1回 ビジネスアイデアコンテスト」の総括を、三菱総合研究所 松田 信之研究員から行いました。本コンテストは、社会課題をビジネスで解決する事業プランコンペティショョンであり、第1回は「ウェルネス」をテーマに募集し、応募総数94件のなかから、最終審査会をへて5件のファイナリストを選出、2社に対し最優秀賞とMRI賞を授与しました。

応募アイデアは「解決する社会課題のインパクト」や「それを解決することで社会にどれくらいの影響力があるのか」など、いかに重要な社会課題を解決するかという観点からMRIの専門家による審査が行われました。
※実際のコンテストの様子はこちらを参照。

今後の予定としては、2017年4月より「エネルギー・環境」「水・食料」をテーマに「第2回ビジネスアイデアコンテスト」の応募を開始します。詳細は、INCFサイト等で公表する予定です。

TOPへ戻る